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Journalジャーナル

海辺で身に着けたいジュエリー

Issue | 2019.08.01

「T」 = Turquoise

澄んだ青空を映し出すかのような、鮮やかなカラーが魅力のターコイズ。別名、「トルコ石」とも呼ばれています。かつて「空の石」と呼ばれたこの宝石は、夏の焼けた小麦肌にも抜群相性のアイテム。明るい日差しに包まれるこれからの季節にピッタリの宝石、ターコイズの魅力に迫ります。 Photo: Ikuo Kubota (OWL) / Text: Tomoko Katoh

ターコイズの歴史

ターコイズは紀元前2000年以前から発掘されてきた石の一種で、非常に長い歴史があります。一度目にしたら忘れられない鮮やかな「青」が古くから人々を魅了してきました。和名では「トルコ石」と呼ばれていますが、実は産出場所はトルコではありません。ではなぜトルコ石と呼ばれるのかと言うと、昔、ペルシャからトルコを経由してヨーロッパにターコイズが持ち込まれたことからこの名前が付けられたと言われています。

実際のターコイズの主な産地は、シナイ半島、アメリカ、イラン(旧ペルシャ)など。中でも、特に歴史が古いシナイ半島産のターコイズは透明感のある鮮やかな緑色をしているのが特徴です。アメリカでも以前、ニューメキシコ州で多くのターコイズが産出されていましたが、現在はほとんど採れなくなっているのが現状です。またバージニア州で産出されるターコイズは、人工的に加工処理されているものが多いと言われることも。現在ではイラン産のターコイズが最高品質であるとされており、ジュエリー愛好家の中では高い人気を得ています。

世界中の人々から愛されるティファニーターコイズ

ターコイズといえば、空色を帯びた鮮やかな青色が特徴です。日本では純粋な空色が好まれますが、ヨーロッパでは網模様が入っているものほど好まれることも。一般的に宝石の中に不純物が入るとその価値が下がると言われていますが、ターコイズの場合はその不純物によって価値が上がることもあり、ターコイズの表面に網を張ったような蜘蛛の巣模様(スパイダーウェブ)があるものは、非常に希少価値が高くなっています。ターコイズならではの「青」や模様を作り出しているのは、ターコイズに含まれる銅や鉄などの含有物によるもの。銅の含有量が多いほどより「青」が深くなり、鉄が多くなると緑色がかった色に変化します。色のバリエーションは深緑からロイヤルブルーで、ヨーロッパでは薄い水色が、アメリカでは濃い青色が好まれます。

さまざまな色の中でも、ひと際人気が高く最も美しいとされるのが、模様の一切入らない美しいライトブルーの「ロビンエッグ ブルー」。ロビンエッグ ブルーは、コマドリの卵を意味しています。コマドリは日本三鳴鳥にも数えられ、鮮やかな色の卵を産むことで有名な鳥。イギリスの国鳥でもあり、ヴィクトリア朝のイギリスでは「コマドリの卵の色=大切なものを表す色」として重宝されていました。世界5大ジュエラーの1つである、「ティファニー(TIFFANY & Co.)」のティファニーターコイズブルーも、コマドリの卵の色を採用。創業者であるチャールズ・ルイス・ティファニーの信念と、この高潔さや真実を表すコマドリの卵が一致したことからブランドカラーに採用して人気を博し、今でも世界中の人々に愛されています。

アメリカ産ターコイズ

コマドリの卵の色を採用したティファニーのターコイズブルー

夏に身に着けたいジュエリー

バカンスへ、ビーチへ、フェスへ……と気分も盛り上がる忙しい夏に向けて、おしゃれに注目を集めたい!そんな時にまず思い浮かぶアクセサリー宝石がターコイズ。いつもの洋服にターコイズをプラスするだけで、一気に涼しげな雰囲気に早変わりします。さまざまなな色味や質感、模様などから自分の肌色にピッタリのターコイズを選ぶのも楽しみの一つ。ロールアップやサンダルで足元に視線を集めたい時は、アンクレットでさり気なく爽やかさを演出することも。シンプルなTシャツコーデも、華奢な一粒ネックレスを取り入れるだけで、グッと上品な印象に仕上がります。

また、意外と相性が良いのが鮮烈なレッドとの組み合わせ。人気のレッドカラーのリップにターコイズをプラスすることで鮮やかなカラーの対比が楽しめます。海やリゾートで日焼けしたこの季節ならではの褐色肌との相性も抜群。年齢を問わず身に着けられる親しみやすさも、ターコイズの魅力です。「ブルガリ(BVLGARI)」は、人気の「ディーヴァ コレクション」でターコイズの鮮やかな「青」が魅力のネックレスを展開。旅のお守りとしても人気のターコイズを、バカンスのワードローブに身につけるのものお勧めです。

ただしターコイズは比較的硬度が低く、衝撃に弱いので取り扱いには十分注意が必要です。熱や湿気にも弱いため、保管は日の当たらない場所で、他のジュエリーとぶつからないよう分けて保管できるとベスト。アルコールや油分・皮脂によって退色・変色が見られることもあるので、香水や化粧品、日焼け止めなどが直接掛からないように注意しましょう。ターコイズは一気に華やかな夏気分を演出してくれるジュエリーですが、汗や水が付いた際はこまめに拭き取ることが大切。お手入れ方法自体は簡単なので、今年の夏はターコイズを主役に、女性らしいコーディネートを楽しんでみてはいかがでしょうか。

ブルガリの「ディーヴァ コレクション」

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