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Journalジャーナル

加工難易度高×産出量小 極めて珍しい石アウイナイト

Issue | 2019.09.12

見るものすべてを魅了させるような見事なコバルトブルーの煌めきを魅せるアウイナイト。明るく鮮やかな瑠璃色を示す宝石は世界中どこを探してもドイツの一部地方でしか産出されないことから、非常に稀少性の高い宝石として知られています。また、傷つきやすく加工するのが難しいことからも、ジュエリーとしての稀少価値は抜群。いつか手に取りたい幻の宝石として、コレクターの中でも人気の高い石となっています。そんな魅力あふれる奇跡の宝石、アウイナイトの魅力に迫ります。 Photo: Ikuo Kubota (OWL) / Text: Tomoko Katoh

ドイツが誇る屈指の宝石アウイナイト

正式には「アウィン」という名前を持つアウイナイト。「アウイナイト」という名前の由来は、宝石の発見者に由来しており、ドイツ人鉱物学者である「R.J.Hauy(アウイン)」氏が初めて発見したため、当時は「アウイン」と呼ばれていました。誰もが見惚れる深いコバルトブルーの中にネオンの輝きを魅せるこの宝石は、稀少性が高く人気を誇る屈指のレアストーンです。

ドイツのアイフェル地方のみで産出されるアウトナイト。元々産出される地域が限られている為、産出量が少ない上にほとんど大きいサイズが産出されないことからも、さらにその稀少価値が高まります。一般的なカラーストーンは1ct以上あるものが普通サイズとして扱われている中で、アウイナイトの場合、市場に出回るものは大きくても0.5ct程度に留まります。中でも0.1ctを超えるものは大粒と言われており、一般的には0.05ct~0.3ct程度のものが市場に出回っています。ただし、0.1ctという小ささであっても、そのネオンの輝きの強さから圧倒的な存在感を放っているのが印象的。そのため、他のカラーストーンに比べて小さいものでもジュエリーとして加工されることが多いのが特徴です。

圧倒的に産出量が少ないこの宝石は、採掘をさらに難しくしています。というのも、ある程度数の採れる多くの宝石は、採掘の際ブルドーザーなどの重機を利用し、大勢の人員を起用することで効率良く作業が進められます。しかし、あまりにも産出量が少なすぎるアウイナイトはこの方法では採算が取れず、現在商業採掘はほぼ行われていません。まさに「幻の宝石」と言っても過言ではない存在で、コレクター心をくすぐる存在となっているのです。

奇跡的に採取されたアウイナイトの中でも不純物が混じっていない、透明度の高いものは驚きの価格で取引されることもしばしば。困難を極める採取環境の中で見つけられたこの宝石は、ものによっては同重量のダイヤモンドよりも価格が高額になることもある貴重な石なのです。

アウイナイトのジュエリーは優れた技術者のみが加工出来る逸品!?

産出量の少なさはもちろん、アウイナイトの稀少価値を高める理由の一つとして、加工技術の難しさも知られています。というのも、実はこの宝石は非常にもろく傷つきやすいのが特徴で、加工途中で割れてしまうことも。宝石の硬さを示すモース硬度は6以下と水晶よりも低いため、研磨することが難しくジュエリーに加工するには精緻な技術が必要となります。こうして、限られた技術者のみが作成出来るこのジュエリーは1ctで100万円以上の価格が付くこともあるほど高価なものとして扱われています。まさに通好みが持つ特別な逸品と言えるでしょう。

一方でアウイナイトのジュエリーを購入する際は、こうした弱点を含めてデザインを選ぶことが大切。特に指輪など衝撃が加わる可能性の高いものは、しっかりと石が保護されているか、デザインをチェックするのも重要なポイントとなってきます。

とはいえ独特のコバルトブルーのカラーが見る者の心を虜にしてしまうこの宝石。元々稀少価値が高く特別な価格で取引されていますが、その品質の判断基準はカラーと透明度。中でも最も人気が高いのはコバルトブルーの色味が濃いアウトナイトです。この色味はアウイナイトでしか出せないほどの鮮やかで美しく、この宝石特有の不思議な魅力を引き立てます。また、内包物を含みやすいのも特徴の一つとして知られる中で、不純物が無く透明度の高いものは最高品質であるとされています。

今回ご紹介した世界でも屈指のレアストーンであるアウイナイト。奇跡的に産出される最高品質なものは「ドイツのサファイア」と呼ばれるほど。誰もが美しさに心を奪われてしまう逸品を特別な日の記念として、また自分へのご褒美として、ぜひ身につけてみてはいかがでしょうか。

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