ジューシーで明るい輝きを放つシトリン

DATE : 2019.3.19
TEXT : Tomoko Kato

新鮮な果実を連想させるジュージーな黄色やオレンジ色の輝きを放つシトリンは、明るい陽射しのような輝きが魅力です。古来から「幸運を運ぶ石」として、人々に大切にされてきました。英国のキャサリン妃もベージュ系やブラウン系のファッションに、シトリンのピアスやリングを合わせてコーディネートすることも。そんな世界中の人々の心を奪う、シトリンの優しい魅力に迫ります。

黄金色のフルーツのような新鮮な色合いの発色の秘密

11月の誕生石として知られるシトリン。その名前はフランス語で柑橘系果実を意味する「シトラス」に由来しています。クォーツの一種で、和名では「黄水晶」と呼んでいます。シトリンの色はクォーツ結晶構造に微量に含まれる鉄分が関係しており、パステル系のレモンイエローからゴールデンイエロー、マンダリンオレンジ、マデイラレッド(マデイラワインに類似した色)までさまざま。古来からマデイラの色は非常に人気がありますが、最近は明るいレモン色を好む人も増えているようです。また、明るい金色がかった黄色のシトリンと白いホワイト・クォーツ(白水晶)が美しく融合したバイカラーシトリンなどもあります。このバイカラーシトリンは、形成の過程で環境が変化して起こったもの。色を決定する要因となる鉄分が結晶に含まれる時期により、色の層が変わります。この特徴を利用し、より美しい輝きを引き出すために意図的にカッティングを加えたバイカラーシトリンは、色のコントラストのバランスが良いほど高い評価を得る傾向に。両方の色を均一に出すことは非常に難しい作業のため、色の出方が評価を左右する大きな要因となっているのです。

アメシストを加熱処理したものはシトリンと呼べる!?

シトリンのほとんどがウルグアイ、ブラジル、マダガスカルなどのアフリカの国々から採掘されていますが、シトリンはトパーズと間違われやすく「シトリントパーズ」と呼ばれることもあります。天然のシトリンは淡い黄色をしていますが、現在天然のものはほとんど産出されないため、市場に出回っているもののほとんどがアメシスト熱処理を施しています。中でも、ブラジルのリオ・グランデドスル州で産出されるものは非常に高評価を得ており、赤味のある濃いオレンジ色で大変美しい色を放っています。コクのある赤系オレンジ色は、ポルトガルのマデイラワインに似ていることからマデイラとも呼ばれ、最も高い評価に。他には、ブラジルのバイア州で産出される淡い黄色のバイアや、ボリビアのアナイ鉱山で産出される紫色と黄色のバイカラーのアメトリンが価値が高いと言われています。

天然のシトリンはほとんど産出されないと記載しましたが、「天然のアメシストを加熱処理をしたものは、シトリンではないのでは?」と疑問に思う方も少なくないかもしれません。実際は、ブラジル産のマデイラ・シトリンに最高評価が付けられているように、「アメシストを加熱したもの」=「シトリン」と呼ばれています。

キャサリン妃も愛用しているシトリンの指輪

世界中の注目を集める英国王室。熱い視線を集めるキャサリン妃もベージュ系やブラウン系、イエロー系に、上手にシトリンをコーディネートしています。昨年7月に行われたテニスのウィンブルドン選手権の女子シングルス決勝戦では、初めてメーガン妃と一緒に観戦されたキャサリン妃に注目が集まりました。眩しいほど鮮やかなドルチェ&ガッバーナのリゾートコレクションから、黄色のソフトコンシャスドレスをチョイス。フレンチスリーブが、キャサリン妃らしいフェミニンさを添えています。当日はドレスを引き立たせるため、小物使いはヌーディに。ジュエリーはゴールドでまとめて同系色でコーディネートしていましたが、その手にはシトリンと思われるリングも。このリングは、ハリー王子&メーガン妃の結婚式の際にも身につけていたもの。最近愛用しているこのシトリンリングは、キャサリン妃26歳のバースデープレゼントとする説と、ルイ王子の出産記念でウィリアム王子から贈られたとする説と、2つの説がささやかれています。シャーロット王女が誕生した際には、グリーンアメシストとグリーントルマリンピアスをプレゼントしたとも言われているので、シトリンの指輪はルイ王子の誕生祝いという説が有力です。メディアに登場する度に、新婚当時と変わらぬ仲の良さを垣間見ることができるウィリアム王子とキャサリン妃。シトリンの指輪は今後ますます登場機会を増やすことが予想されるので、コーディネートからも目が離せません。

シトリンを使ったBOUCHERONのリング

BOUCHERONの「セルパンボエム」コレクション