正しい結婚指輪の選び方

DATE : 2019.5.16
TEXT : Tomoko Kato

「結婚指輪」その言葉は誰もが一度は耳にしますが、長い長い歴史があります。「結婚指輪」の背景・流行・正しい結婚指輪の選び方など、一生に一度の大切な指輪にまつわるストーリーを紐解きます。

婚約時に指輪を渡す習慣は古代ローマ時代から

婚約のときに指輪を贈る習慣は、古代ローマ時代に既に存在していたと言われています。当時の指輪は鉄製のもの。男女間で婚約が成立したことを意味しており、花嫁は未来の夫に対して純潔を守る義務が発生しました。そしてこの約束を破ってしまうと、法的責任が問われることも。今でも、結婚指輪は左手薬指につける習慣がありますが、この習慣も古代ローマ時代から受け継がれたもの。左手は心臓の近くにあり、当時、心臓と薬指は繋がっていると考えられていたため、この指に指輪をつけるようになりました。

この習慣が生まれてからしばらくの間、鉄を輪にした状態の指輪を結婚指輪として扱ってきましたが、15世紀頃ダイヤモンドを用いた結婚指輪が登場。後に神聖ローマ皇帝となるハプスブルク家のマキシミリアン大帝とブルゴーニュ公国のマリアが婚約する際に、ダイヤモンドの婚約指輪が贈られたそう。記録上は、これがダイヤモンドの婚約指輪の始まりだとされています。ダイヤモンドは、誰もが息を飲むほどの眩い輝きが魅力。そして天然石の鉱物の中では、もっとも硬い物質であることは周知の事実です。ダイヤモンドは「永遠の絆」「約束」を示すと言われており、男女を結びつける「永久の愛」のシンボルとして世界中に広まりました。

尚、愛の証である婚約指輪と結婚指輪は、同じ指輪でも名称が異なりますが、一般的に婚約指輪は「婚約の証として贈る指輪」、結婚指輪は「結婚の記念として交換するもの」とされています。婚約指輪は華やかなデザインのものが多く特別な日だけ身に着ける傾向にあり、これに対し結婚指輪はシンプルなデザインのものが多いのが特徴。婚約指輪と結婚指輪を重ねづけしたときに美しく見えるよう、バランスを考えてデザインを選ぶ人も増えてきています。

婚約指輪を贈る習慣が古代ローマ時代からあったのに対し、結婚の際に指輪を交換する習慣が生まれたのはもっと時を経てから生まれました。1027年の文献には、結婚式で「花婿が花嫁に金の指輪を、花嫁は花婿に銀の指輪を交換した」という記録が残されています。その後、時を経て結婚指輪を交換するという習慣が少しづつ広まり、13世紀のヨーロッパで一般化しました。

しかし、そこには面白い言い伝えも。結婚指輪は夫婦の結びつきを示すものなので、基本的には生涯外してはならないものとされています。また指輪交換をする時に新郎が一気に新婦の第二関節まで指輪を通すことができれば、結婚生活で新郎が主導権を握れるという伝説も。さらには結婚指輪が壊れると相手が不貞を働いた印であるとされ、未来に対する不幸の象徴とされてきました。

日本で指輪が装飾品として普及し始めたのは、明治時代のこと。キリスト教式の結婚式では指輪交換が取り入れられ、明治の終わりには結婚指輪の広告記事も見られることから、日本にも少しづつ浸透してきた様子が見て取れます。その後、大正時代にはこの習慣はほぼ定着しました。

婚約指輪を普段使いするために、結婚指輪と一緒に重ね着けするようにデザインされた婚約指輪も多く販売されています。

結婚指輪にダイヤは必要?

結婚指輪はダイヤ付きにするべきか、ダイヤ無しするべきか。この点は、結婚を控えた女性同士でも話題に上がることが少なくありません。ダイヤが付いていることで、家事の邪魔にならないかを気にする人も多いようです。しかし、この問題はデザインで解決できることも。立て爪でダイヤが留められているタイプやダイヤが敷き詰められているエターニティリングは、爪部分が衣類に引っかかってしまうことも。家事をするときにも、ぶつかってしまい邪魔になるという人もいますが、それでもダイヤ付きが欲しい場合は、0.1カラット以下の小さなダイヤが埋め込まれているメレダイヤがお勧めです。

しかし、石の付いていないものに比べると、どうしても強度が弱くなることも事実。見た目は華やかになりますが、何かの衝撃でダイヤが取れてしまう可能性があることや、汚れが溜まってしまうことがあるので注意しましょう。