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2024.06.05 Issue

ルビーもサファイアも「コランダム」という鉱物から出来ている

7月の誕生石として知られ深い赤色が印象的なルビーと、9月の誕生石として知られ美しい青色のサファイア。
対照的なカラーとそれぞれが放つ美しさから、全く別物の宝石に見えますが、実はこの2つの石は「コランダム」という同じ鉱物から出来ています。
コランダムは酸化アルミニウムの結晶からなる鉱物で、日本名では「鋼玉」と呼ばれています。

宝石として使用するのは、天然に産出される中でも最も美しいもの。
元々無色透明なこの鉱物のカラーの決め手となるのが、含まれる不純物の割合です。それでは、その境界線は一体どこにあるのでしょうか。

一般的にサファイアは青色のイメージがありますが、実はバリエーション豊富でさまざまな色を楽しめるのも隠れた魅力。
現在はコランダムの中でも赤色のものを「ルビー」とし、その他カラーを「サファイア」と定めています。「ルビー」の語源はラテン語で「赤」を意味する「ルベウス」に由来し、「サファイア」の語源は同じくラテン語で「青」を意味する「サフィルス」という言葉に由来します。

コランダムの特徴として知られるのがその硬度の高さ。最も硬度の高い宝石として知られるダイヤモンドの硬度は10ですが、それに次いでコランダムの硬度は9と非常に硬く丈夫な宝石です。もちろん、コランダムから出来ているサファイアの硬度も9であり、非常に丈夫な石として知られています。

さまざまなカラーを魅せるサファイアの中でも希少価値が高いのは?

日本名で蒼玉や青玉と呼ばれるほど「青」のイメージが強いサファイアですが、カラーバリエーションは黄色や緑色・ピンク・オレンジなど実にさまざま。一般的なサファイアは濃紺、青紫色などの青系統でブルーサファイアと呼ばれます。珍しいところでは蓮の花の色に例えられる「パパラチアサファイア」や、光の種類によって地色が変化する「カラーチェンジサファイア」があります。

このブルーを創り出すのはコランダムの中に含まれる不純物であるチタンと鉄。微量成分として0.5~1%程度の鉄イオンとチタンイオンが入ることで、あの目を見張るようなブルーカラーを発するようになるのです。そんなカラーバリエーションが多いサファイアですが、中でも最高級とされるのは「コーンフラワー」。幻の青とも呼ばれ、若干白みがかった優しい感じの、なんともいえない柔らかなブルーカラーは、一度見ると忘れることが出来ないほど印象的。美しい煌めきを放ち、最も稀少性が高い宝石として知られています。

そんな魅力たっぷりのサファイアの主な原産国はミャンマー、スリランカ、マダガスカル、オーストラリアなどの国々。サファイアの歴史は古く、英国王チャールズ2世の時代よりイギリス王家で代々継承されていることから、世界中で長く重宝されてきた宝石と言っても過言ではありません。