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2025.10.15 Issue

エシカルとサステナブルの違いとは?
ジュエリーリフォームで考える未来への責任

環境問題や社会貢献への関心が高まる中、
「エシカル」や「サステナブル」といった言葉を耳にする機会が増えてきました。

 

どちらも持続可能な未来を目指す上で重要な概念ですが、その違いについて詳しくご存知の方は少ないかもしれません。日々の買い物やモノ選びにおいて、両者の違いを理解することは「後悔しない選択」をするための大切な指針になります。

 

本記事では「エシカル」と「サステナブル」の定義を解説するとともに、考え方の違いや共通点、生活での選び方をご紹介します。さらに、ファッション・食品・家電などの業界別の取り組みや、ジュエリー分野における実践例も取り上げます。

 

あなた自身の価値観に合った「未来への責任ある選択」を見つけるヒントとして、ぜひ参考にしてください。

 

エシカルとサステナブルの違い

まずは、「エシカル」と「サステナブル」の意味の違いを押さえておきましょう。

 

エシカルとは(人・社会・地球への配慮)

「エシカル(Ethical)」とは「倫理的」「道徳的」を意味し、人・社会・環境に配慮した考え方を指します。製品やサービスが“どのように作られたか”に着目し、その背景にある人権や労働環境、動物福祉、公正な取引、情報開示などに対する倫理的な配慮が評価の対象となります。

 

消費者庁はエシカル消費を「消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと」と定義しており、個人の価値観に基づいた選択が重視されています。

 

【エシカルの主な評価基準(JEI エシカル基準の8分野)】

・⾃然環境を守っている

・⼈権を尊重している

・消費者を尊重している

・動物の福祉・権利を守っている

・製品・サービスの情報開⽰をしている

・事業を⾏っている地域社会に配慮・貢献している

・適正な経営を⾏っている

・サプライヤーやステークホルダーと積極的に協働している

(※1)開発途上国の生産者や労働者が正当な価格で取引できるよう支援する仕組み

(※2)製品がどこで、誰によって、どのように作られたかを追跡できる仕組み

 

サステナブルとは(未来にわたる持続性)

「サステナブル(Sustainable)」とは「持続可能な」「維持できる」を意味し、現在のニーズを満たしつつ、将来世代の生活を損なわない仕組みを指します。国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」にも通じる考え方で、製品やサービスのライフサイクル全体を通じて環境負荷を最小限に抑えることが求められます。

 

【GRIスタンダードに基づくサステナブルの主な評価観点】

・原材料

・エネルギー

・水と排水

・生物多様性

・大気への排出

・廃棄物

・経済パフォーマンス

・反競争的行為

・雇用

・労働安全衛生

・非差別 など

 

何が違う?考え方の軸で比較

次に、エシカルとサステナブルの違いを「フォーカス」「判断基準」「時間軸」の3つの視点で解説します。

 

フォーカス

エシカルは、“作り方”や“背景”に倫理的な問題がないかを重視する考え方です。たとえば「児童労働が行われていないか」「動物実験が避けられているか」「原材料の調達が公正な取引によって行われているか」など、製品が生まれる過程における人権や動物福祉、取引の透明性が問われます。

一方、サステナブルは、“長期的に続けられるかどうか”に焦点を当てた考え方です。「資源を過剰に消費していないか」「環境に過度な負荷をかけていないか」「将来世代の暮らしに悪影響を及ぼさないか」といった視点から、持続可能性が評価されます。

 

判断基準

エシカルとサステナブルの判断基準は、以下の通りに異なります。

【エシカルで重視される指標】

・人権の尊重:児童労働や強制労働の排除、安全で健康的な労働環境の確保

・公正な取引:フェアトレードの実施、生産者への適正な報酬

・情報の開示:原材料の産地や製造工程の透明性、企業の倫理的姿勢の明示

【サステナブルで重視される指標】

・CO₂排出量:製造・輸送・使用・廃棄までの温室効果ガスの排出量

・水資源の使用量:製造工程や素材の生産における水の消費量

・再資源化率:使用済み製品の回収・再利用・リサイクルの割合

・耐久性・長寿命性:壊れにくく、長く使える設計や修理可能な構造

 

時間軸

時間軸で比較した場合、エシカルは既存の製造・流通プロセスに問題ないかを見直す「改善型」の視点です。一方、サステナブルは未来にわたって続けられる仕組みを設計する「長期設計型」の視点であり、環境負荷を最小限に抑えることに重点を置いています。

つまり、エシカルは「今のあり方」を問い、サステナブルは「未来への設計」を描く――この時間軸の違いが、両者を理解する鍵となります。

 

エシカルとサステナブル|共通点と重なり合う取り組み

エシカルとサステナブルにはさまざまな違いがありますが、実際の取り組みでは共通点も多く見られます。

 

認証・基準・トレーサビリティ

エシカルとサステナブルの両方に共通するのが、第三者による認証制度の導入です。フェアトレード認証やB Corp認証、FSC認証などは、製品や企業の取り組みが一定の基準を満たしていることを示す信頼性の高い指標として活用されています。私たち消費者は認証マークをチェックしつつ「その認証が何を評価しているのか」「どこまでの範囲を対象としているのか」「企業がどのような姿勢で取り組んでいるのか」といった点も併せて確認することで、より良い選択が可能となります。

また、トレーサビリティの確保も両者に共通する重要な要素です。原材料の産地や製造工程などを消費者自身が把握できる仕組みがあれば、より納得感の高い、責任ある消費行動につながります。

 

企業と生活者ができること

エシカルやサステナブルな社会の実現には、企業と生活者の双方がそれぞれの立場で役割を果たすことが欠かせません。

企業は製品やサービスの設計段階から環境負荷を抑える工夫を施し、人権や労働環境に配慮したサプライチェーンを構築することが求められます。さらに、製品の背景や取り組み内容について、生活者に対して分かりやすく説明する責任も担っています。

 

一方、生活者は購入前に情報を確認する姿勢を持ち、修理して長く使えるものを選ぶ、使い切る工夫をする、不要になったものを適切に廃棄・リサイクルするなど、日々の消費行動のなかで持続可能性を意識することが大切です。

 

こうした企業と生活者の取り組みが重なり合い、相互に支え合うことで、より持続可能で倫理的な社会の実現に近づいていきます。

 

生活での選び方ガイド

エシカルやサステナブルな視点を暮らしに取り入れるには、日々の消費行動を見直すことがポイントです。ここでは、商品の購入前・購入後に意識したいポイントをそれぞれご紹介します。

 

購入前チェックリスト

商品を選ぶ際には、以下のチェックリストをベースにエシカル・サステナブルな観点で購入を検討するとよいでしょう。

【エシカルの視点】

・原材料の産地や調達方法が明示されているか

・製造過程で労働者の権利が守られているか

・企業がサプライチェーンや取り組みを開示しているか

・認証ラベルが付いているか

【サステナブルの視点】

・製品の耐久性が高く、長く使える設計か

・修理やメンテナンスが可能か

・使用後に再資源化・リサイクルできる仕組みがあるか

・過剰包装や使い捨て仕様になっていないか

 

長く使う・手入れする

購入後の使い方の工夫も、エシカル・サステナブルな暮らしには欠かせません。定期的なメンテナンスを行うことで製品の寿命を延ばすことができ、結果的に廃棄物の削減にもつながります。

また、替えパーツが入手しやすいか、保証や修理の体制が整っているかも重要なチェックポイントです。さらに、使い終わった後にリユースやリサイクルなど、二次利用の選択肢があるかどうかも意識すると、より持続可能な消費行動につながるでしょう。

 

業界別の取り組み

エシカルやサステナブルの考え方は、業界ごとに異なる形で実践されています。ここでは、ファッション、食品、家電・日用品の分野における代表的な取り組みをご紹介します。

 

ファッション

ファッション業界においては、エシカルな取り組みとして「公正な賃金の支払い」と「工場の労働環境の透明性」を重視。生産者の権利を守り、搾取のない仕組みを整えることが求められています。

 

一方、サステナブルな観点では「再生素材の活用」「修繕サービスの提供」「長く着られる設計」などが注目されています。衣類の廃棄を減らし、資源の有効活用につながる仕組みが広がっています。

 

食品

食品分野では、エシカルな取り組みとして「公正な価格の支払い」と「動物福祉への配慮」を重視。フェアトレードの仕組みを通じて、途上国の農家の生活向上にも貢献しています。

サステナブルな側面では「土壌の保全」や「フードロスの削減」、「再利用可能な容器の導入」などを推進。環境負荷を抑えつつ、持続可能な食の循環が目指されています。

 

家電・日用品

家電や日用品の分野では、エシカルな視点として「原材料(特に鉱物資源)の調達における人権配慮」が重要です。企業のグローバルなサプライチェーンにおいて、労働環境や取引の公正性を確保することが求められています。また、サプライチェーン全体の透明性を高める取り組みも進んでいます。

サステナブルな観点では「省エネ性能の向上」や「長寿命設計」、そして「使用後のリサイクルを前提とした製品設計」を重視。資源の循環利用と環境負荷の低減が図られています。

 

今日からできるミニアクション

エシカルやサステナブルな暮らしは特別なことではありません。日々のちょっとした行動から始められます。

 

【ステップ1】表示と説明を読む

まずは、製品のパッケージや公式サイトなどに記載されている情報をしっかりと確認しましょう。原材料の由来や製造方法、企業の取り組みなどを知ることで、背景にある倫理性や環境配慮を見極められます。

 

【ステップ2】長く使う前提で選ぶ

耐久性があるか、修理しやすいか、替えパーツを入手可能かといった「長く使える設計かどうか」にも注目しましょう。使い捨てではなく、手入れしながら使い続けられるものを選ぶことが大切です。

 

【ステップ3】使い切る計画を立てる

使い終わった後のことも考えておくと、より責任ある消費につながります。定期的なメンテナンスで寿命を延ばし、不要になったら再販売や下取りを検討。最終的には適正なリサイクルルートに乗せることで、廃棄物の削減にも貢献できます。

 

ジュエリー業界におけるエシカルとサステナブル

美しさや希少性が重視されるジュエリーの世界でも、近年はその背景にある倫理性や環境負荷への関心が高まっています。素材の調達から製造、販売、使用後の扱いまで、エシカルとサステナブルの両面から見直す動きが広がっています。

 

エシカルの視点(透明性と公正さ)

ジュエリー業界におけるエシカルな取り組みの代表例として、紛争の資金源とならない「コンフリクトフリー素材」の採用が挙げられます。ダイヤモンドや貴金属の調達において産地や流通経路の透明性を確保することは、倫理的な責任を果たす上で不可欠です。

 

また、生産者の生活向上を支援するフェアトレード認証の導入や、第三者機関による監査・認証制度の活用も進んでいます。サプライチェーン全体のトレーサビリティを確保することで、消費者が安心して選べる仕組みが整いつつあります。

 

サステナブルの視点(循環と長寿命化)

サステナブルなジュエリーづくりでは、資源の循環利用と製品の長寿命化が重要なテーマです。再生地金の活用や再生可能エネルギーによる加工、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の考え方を取り入れた製造プロセスが注目されています。

 

さらに、回収・下取りの仕組みや、リフォーム・リペアによってジュエリーの寿命を延ばす取り組みも広がっています。

 

ジュエリーのリペアやリフォーム、オーダーメイド制作を展開する「aidect(アイデクト)」では、新たな採掘や大量生産に頼らず、既存の資源を活かした「サステナブルジュエリー」をご提供しております。

 

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消費者の実践(証明書・メンテ・循環参加)

消費者の立場でも、ジュエリーをより責任あるかたちで楽しむことが可能です。購入時に素材の比率や産地を示す証明書類を確認することで、背景にある取り組みを理解しやすくなります。

また、使用中はジュエリーの美しさと機能を長く保つために、定期的なクリーニングやサイズ直し、石留めの補強などを行うとよいでしょう。不要になった場合は下取りや譲渡、再販売などの循環に参加することで、資源の有効活用にも貢献できます。

 

記事のまとめ

エシカルとは「作り方の倫理」、サステナブルとは「続け方の設計」。両者は補完し合う関係にあり、日々の意思決定の中で両立できます。

 

表示を確認する、長く使えるものを選ぶ、使い切る工夫をする——―そんな小さな選択が、より良い社会につながっていきます。記事内でご紹介したチェックリストやミニアクションは、今日から実践できるヒントです。

 

aidect(アイデクト)はその想いを形にするパートナーであり、リペア・リフォーム・買取など、さまざまな選択肢を通じてエシカルかつサステナブルな価値をご提供しています。ぜひご自宅に眠っているジュエリーに目を向け、これからも長く使い続ける方法を検討してみてはいかがでしょうか。

 

すべては、世の中から「使えない」ジュエリーをなくすために。

 

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出典:エシカル消費とは|消費者庁

出典:JEI エシカル基準|⼀般社団法⼈ ⽇本エシカル推進協議会(JEI)