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Journalジャーナル

ジュエリーで旅する世界のブランド ハリー・ウィンストン

Issue | 2019.10.21

1932年にニューヨークで創業したハリー・ウィンストン社。世界の貴重なダイヤモンドの3分の1を保有していたハリー・ウィンストン氏は、宝石学者でした。自然が生み出すシンプルな美しさにインスパイアされたハリー・ウィンストン氏は、ひとつひとつの石の輝きが最大限になるようなセッティング技法を考案。ダイヤモンドをいかに美しく魅せるかに注力してできた技法とその魅力に迫ります。Photo: Ikuo Kubota (OWL) / Text: Tomoko Katoh

ダイヤモンドの王様 ハリー・ウィンストン

ハリー・ウィンストンのダイヤモンドは、「キングオブダイヤモンド」として広く知られている華やかで高貴な宝石。数々のハリウッド女優や王侯貴族が愛してやまないジュエリーで、マリリン・モンローが映画「紳士は金髪がお好き」でハリー・ウィンストンのダイヤモンドについて曲を歌ったほどでした。女性からの支持が高いため男性が贈り物に選ぶことも多く、映画界のスター同士のリチャードバートンが妻であるエリザベス・テイラーへのプレゼントにしたり、アリストテレス・オナシスがジャクリーンケネディに婚約指輪として贈ったりとスターたちのハレの日を飾るジュエリーです。

スターたちを魅了するダイヤモンドジュエリーには、ハリー・ウィンストン氏の強い思いが込められていました。ハリー・ウィンストン氏は、ダイヤモンドについてこのように話したといいます。「ふたつとして同じダイヤモンドはありません。全てのダイヤモンドはそれぞれが異なる性質を持っています。だから、ダイヤモンドひとつひとつに対して、人間ひとりひとりを扱うように接しなければなりません。」ダイヤモンドに対するハリー・ウィンストン氏の情熱は、現代にも脈々と受け継がれています。

美しいダイヤモンドの秘密

ハリー・ウィンストンの美しいダイヤモンドの秘密は、最高品質のダイヤモンドを選び抜き、その輝きを最大限に引き出すカットやセッティングを施すこと。ダイヤモンドの価値は「4つのC」と呼ばれる「カラット」「カット」「カラー」「クラリティ」という評価基準で示されますが、ハリー・ウィンストンでは宝石学の知識も加えてダイヤモンドを選定しています。

ハリー・ウィンストンでは、ダイヤモンドの「4つのC」の品質にも大変厳しい基準を設けています。「カラット」は単純な重量だけでなく他の4つのCとの組み合わせを考えて。「カット」はクラフトマンが石ごとの最適な角度と正確な比率を割り出します。「カラー」は無色透明と言われているDEFまで。ダイヤの透明度を表す「クラリティ」は傷一つない透明度と言われるFLから肉眼では傷など確認できないVS2までと決められています。またダイヤモンドの輝きが自然光や白熱灯など、どんな光の中でも美しく保たれるよう、紫外線に反応して蛍光を帯びる性質のある石を使用しません。

ウィンストニアン・スタイルで肌に宝石を散りばめて

「ウィンストニアン・スタイル」は、一度は身に着けたい煌びやかさを誇るダイヤモンドジュエリー。極細のプラチナワイヤーを使うことで金属の使用量を最小限に抑え、宝石の輝きを最大限に引き出すセッティング方法です。あたかも肌に直接宝石を散りばめたように、ひとつひとつの宝石が浮かんで見えることが「ウィンストニアン・スタイル」の人気の理由なのだそう。アカデミー賞のためのフルネックレスに使用された「ウィンストニアン・スタイル」は高度な技術を要するため、ハリー・ウィンストンの限られたクラフトマンが0.1mm単位の調整を全て手作業で製作していたといいます。

スターたちのダイヤモンドと名高いハリー・ウィンストンのダイヤモンドは、2019年のレッドカーペットへも多くのセレブリティが身に着けています。プレゼンターのヘレンミレンは、約136.6カラットのダイヤモンドをあしらった「インクレディブル・クラスター・ネックレス」を着用。映画『RBG 最強の85才』で歌曲賞にノミネートされたジェニファー・ハドソンは、シャンデリア・イヤリングを華やかな赤のドレスにプラスしています。

創業から約90年経った今でも変わらず愛されているジュエラー、ハリー・ウィンストン。これから先も多くの方が身に纏うダイヤモンドとして続けていくでしょう。

クラフトマンの手仕事

ヘレン・ミレンが纏った115.27カラットのネックレス

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